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【低温調理を行う際の注意点4つ】自己流調理の危険性・食中毒のリスクについても解説

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  • 低温調理は食中毒になって危険?
  • 家で安全に低温調理したい
  • 正しい低温調理方法が知りたい

自宅でお店のような味が簡単に楽しめる低温調理。

しかし、低温調理は正しい知識を身につけて安全な調理を行わないと、食中毒を引き起こす恐れがあります。

近年、ネットやSNSでは自己流の低温調理レシピをよく見かけます。

どれも「沸騰した鍋に入れて火を止めて放置」「表面を焼いてアルミホイルに包んで放置」など、温度管理が全くできていないようなものばかり。

上記は中心部が加熱殺菌できる温度をキープできていない可能性が高いので、鵜呑みにすると食中毒になる恐れのある大変危険な調理方法です。

ですから、お家で安全に低温調理したいならコストはかかりますが「低温調理器」を使用することをおすすめいたします。

今回は、低温調理器を使った正しい低温調理方法について解説いたします。

低温調理は、科学的根拠に基づいた調理方法なので、正しく調理すれば怖くありません!

食中毒から身を守るために、きちんとした知識を身につけてくださいね◎

低温調理のメリット

低温調理とは、食材を保存袋に入れて真空状態にし、100℃以下の低温を一定に保ったまま湯煎する調理方法です。

真空状態というと「専用の機械を使って完全な真空状態」をイメージしますが、水圧を利用すれば95%程度空気が抜けますので十分な効果が得られます。

動物性タンパク質は60℃を超えると固くなりはじめ、68℃を超えるとパサパサになります。

中心まで加熱殺菌できて、かつパサパサにならないギリギリの温度をキープするのが低温調理。

低温で時間かけて調理すると、柔らかくてしっとりジューシーな食感になります。

低温調理で中心まで火を通しておけば、表面を焼いたり、揚げたりするだけでサッとさまざまな料理に展開することができます。

低温調理の危険性・食中毒のリスクについて

低温調理は正しい知識を持って調理しないと、食中毒のリスクを伴います。

【食中毒を引き起こす低温調理の例】

  • 加熱時間が不足していた
  • 中心温度が加熱殺菌できる温度に達していなかった
  • 肉の種類・厚みに対する設定時間・温度が足りていなかった
  • 余熱で放置する調理方法を行った
  • 温度を一定に保てていなかった
  • 食材が痛んでいた
  • 鍋や袋に詰めすぎてきちんと加熱できていなかった
  • 袋が浮いたり、お湯から出ていた

厚生労働省によると、食肉の加熱条件は中心部が75℃で1分以上と定められています。

75℃以下の温度で、上記と同等な加熱殺菌する条件は、中心部が63℃で30分以上。

ママ
ママ
75℃以下の温度でも加熱時間を長くすることで、加熱殺菌が可能です。

ただし、55℃以下はさまざまな菌が繁殖する危険な温度帯。

中心部の温度が55℃以上68℃以下になるように調理するのが望ましいといえます。

中心部が設定温度をキープできるよう、お湯の温度は、58〜75℃など高めに設定します。

低温調理を行う際の注意点4つ

低温調理の注意点は温度管理だけでなく、使用する食材や調理器具にも気をつけなければいけません。

知識のないままに低温調理をするのは大変危険なので、以下のことに注意して安全に行いましょう◎

  1. 新鮮な食材を使う
  2. 手や調理器具を清潔に保つ
  3. 鍋や袋に詰め込みすぎない
  4. 低温調理器を使用する

1.新鮮な食材を使う

低温調理に使用する食材は、微生物の少ない新鮮なものを選びましょう。

  • 賞味期限内(できるだけ早く)
  • 食材の状態が悪くなっているものは避ける
  • 生食用を選ぶ

加熱温度が45℃などきわめて低い調理をする場合は、「刺身用・生食用」の食材を使用してください。

2.手や調理器具を清潔に保ち、食材に直接触れない

調理前には手指・調理器具をしっかり洗い消毒しましょう。

できれば、トングや使い捨てのゴム手袋などを使用して、食材に直接触れないようにするのが理想です。

ママ
ママ
低温調理に使用する密閉袋は、使いまわさず毎回新しいものを使用してください◎

3.鍋や袋に詰め込みすぎない

鍋に袋を詰めすぎたり、袋に食材を詰めすぎたりすると、加熱不足による食中毒の危険があります。

  • 鍋に複数の袋を入れてギチギチに詰める
  • 袋いっぱいに食材を詰め込む
  • 袋の中で食材が重なり厚みが出ている

低温調理の設定時間は肉の厚みによって変わります。

ですから、自己判断で1袋に2枚の鶏肉を入れて、レシピにある1枚分の時間で加熱すると食中毒になる恐れがあります。

2枚分作りたいときは、1枚の袋に鶏肉1枚を入れるか、肉同士が重ならないように入れましょう。

また、袋がお湯から出ていたり、空気が入って浮いていたりするとその部分が加熱できません。

浮くようであれば、重し(トング・耐熱皿など)をしてお湯の中にしっかり沈めてください。

4.低温調理器を使用する

低温調理中は、お湯の温度を一定に保つ必要があります。

家庭で安全に低温調理するためには「低温調理器」が欠かせません。

ネットやSNSのレシピでよくある以下のような調理方法は、加熱不足になりやすく大変危険です。

  • 沸騰したお湯に入れて火を止めて冷めるまで放置
  • フライパンで肉表面を焼いたあと、アルミホイルで包み放置
  • 金串を肉中心部に刺して熱くなっていたらOK
  • 肉表面・断面の色を見て勝手に判断

鍋の大きさや素材、食材の大きさ(厚み)、室温などで温度が大きく変わりますので、余熱での調理は大変危険です。

また、「肉の芯温が設温度に達したらOK」ではなく、殺菌のために中心部の温度をキープする時間が必要。

他にも、「群馬県食品生活衛生課のHP」を参考に見ると、加熱が不十分な肉の断面を見ても、加熱できている肉と見た目には変わりないことがわかります。

ママ
ママ
低温調理は、肉の色だけでは加熱できたかどうか判断できません!

必ず低温調理器を使って、レシピに記載された設定温度・時間通りに調理しましょう。

低温調理器を使って正しく調理!低温調理を楽しもう

低温調理器を使って安全に調理すれば、スーパーで買ったいつものお肉もお店の味!

低温調理に関する大事な知識は、温度管理・加熱時間が主なもの。

ですから、低温調理器を使って、レシピ通りの温度と時間で調理すればあとは放置するだけ。何も難しくありません◎

ママ
ママ
新鮮な食材を使うこと、手や調理器具を清潔に保つことは、通常の調理時にも心がけておくべきことですしね♩

自己流の低温調理でいつも加熱できているか不安に思ったり、体調を崩すリスクを抱えるより、きちんと低温調理器を使って調理するべきです。

どうかネット情報を見て危険な低温調理をする方が減りますように!

低温調理は素晴らしいので楽しんでくださいね♩