■カキフライでもあたるの?
■結局どれくらい揚げたらいいのか分からない
いいえ!カキフライでも調理方法によっては食中毒の危険があるんです!!
実は加熱不足よりも、調理中ノロウイルスが手を介して接触感染することの方が多いんだとか。
今回は、カキフライによる食中毒を防ぐ3つのポイントをまとめました◎
牡蠣の食中毒から自身と家族を守りたい方!ぜひ参考にしてくださいね。
- 牡蠣による食中毒の原因
- 生食用と加熱用の違い
- 食中毒を防ぐカキフライの揚げ時間
- 接触感染を防ぐ方法
カキフライの食中毒はノロウイルスが原因
調理方法・調理環境によってはなりますっっ!!!
【カキフライで食中毒になる原因】
- 加熱不足
- 接触感染
加熱不足の場合が2割、調理する人の手指を介して他の食品についたノロウイルスでの感染が8割だそうです。
カキフライだけでなく、焼き牡蠣、カキグラタン、牡蠣鍋など、加熱調理する牡蠣すべてに注意が必要です。
ちなみに、『腸炎ビブリオ』という菌でカキの食中毒になることもあります。
牡蠣の生食用・加熱用の違いとは
『生食用』と『加熱用』の違いは鮮度ではなく、牡蠣が育った海域にあります。
そもそも牡蠣自体がノロウイルスを持っているわけではありません。
下水処理場で浄化処理される際にわずかに残った、ノロウイルス感染者の排泄物が海に流れ込んだものが原因。
牡蠣はプランクトンと一緒にノロウイルスを体内に取り込み、蓄積されたものを人が食べることで、食中毒が引き起こされてしまうのです。
保健所による水質調査で、大腸菌・腸炎ビブリオなどの細菌数の基準をクリアすれば、生食用が出荷できる海域に指定されます。
上記の理由から、たとえ新鮮なものでも『加熱用』は生食してはいけません!!
また、加熱用の牡蠣で「あぶり」や「湯引き(しゃぶしゃぶ)」も絶対しないように!
中心部の菌が死滅しておらず、食中毒の原因となります。
カキフライであたったときの症状とは
ノロウイルスによる食中毒は、平均24〜48時間の潜伏期間を経て発症します。
症状:下痢・嘔吐・吐き気・腹痛・発熱など。
急に激しい吐き気・嘔吐・腹痛などで始まることが多く、続いて発熱などの症状が現れます。
症状は2〜3日で治ることがほとんど。
しかし、症状が回復してもノロウイルスの排出は、長い人だと1ヶ月以上続きます。
ノロウイルスは非常に感染力が高いので、感染者と同居する方、同じトイレを使用する方は、手洗いを徹底するなど十分な感染対策が必要です。
体力・免疫力が弱い高齢者や乳幼児は感染しやすく、脱水症状・嘔吐による窒息・誤嚥性肺炎など重症化する恐れがあるので注意が必要です。
参考:激しい嘔吐・下痢を引き起こすノロウイルスの潜伏期間、症状、予防、消毒、検査方法について|環境未来株式会社
カキフライで食中毒を防ぐ3つのポイント
カキフライを調理する際に気をつけるポイントを3つまとめました!
自分が調理する場合だけでなく、飲食店で提供された場合や、愛する人に作ってもらったときでも、
火が通っていない怪しさを感じたら、残しましょう。
1.カキフライは180℃で2分以上加熱
牡蠣のノロウイルスは体内にも溜まるので、表面を洗ったり、軽く加熱しただけでは死滅しません。
中心温度が85〜90℃で90秒以上の加熱が推奨されています。
カキフライは、外側がきつね色でも、牡蠣の中心部は加熱不十分になっている場合があります。
牡蠣は水分を多く含んでいたり、加熱すると味が縮むので、『高温で短時間』が美味しくするコツとよく言われます。
ただ、常温・冷蔵・冷凍、揚げる前の状態によっては加熱不足になりやすいので要注意。
目安は180℃で2分程度。
冷凍の場合は、もう少し低い温度で、じっくり十分に加熱しましょう。
参考:家庭でできるノロウイルス対策 | 一般財団法人 環境文化創造研究所
2.手洗いを徹底、二次感染を防ぐ
加熱した牡蠣による食中毒の原因No.1が、ノロウイルスがついた手を介した調理によるもの。
ノロウイルスがついた手・衣服・調理器具などはきちんと洗って消毒し、接触感染を防ぎましょう。
【手からの感染を防ぐ】
- 手洗いを徹底する。
- 手を拭く際キッチンペーパーを使う。
- 蛇口は手と一緒に洗うか、ペーパータオルを利用して締める。
- 使い捨て手袋を使用する。
- 牡蠣を調理した手で他の食材を触らない。(飾りの野菜やレモン、刻みのりなど注意)
【調理器具からの感染を防ぐ】
- サラダなど、生で食べる食材そばで調理しない。
- 調理器具・シンクは、熱湯で1分以上または、※0.02%次亜塩素酸ナトリウムで消毒
- 衣服への付着にも注意
参考:ノロウイルス対応標準マニュアルダイジェスト版|東京都福祉保健局
3.そもそも牡蠣じゃないかも?
牡蠣や調理場じゃなくて、他のところから感染する可能性も十分あります。
ノロウイルスを流行する冬場は、トイレやつり革などから検出されているので要注意。
飲食店だと、全員がトイレの後しっかり石鹸で手洗いを済ませてから出るとは言い切れませんよね。
カキフライが提供されたお店のトイレでの感染なども無くはない!
帰宅時、食事前、トイレ後、手洗いを徹底してノロウイルスから身を守りましょう。
参考:ノロウイルス カキが原因と決めつけないで!| 魚食普及推進センター(一般社団法人 大日本水産会)
スーパーのカキフライでもあたる?
スーパーのお惣菜や飲食店での「カキフライ」であたる可能性はゼロではありません。
実際にネットの口コミをみていると、『スーパーや定食屋のカキフライであたって大変だった』という声があります。
一流ホテル料理人の方のTwitterによると、
牡蠣の食中毒は、徹底した衛生・鮮度管理、調理方法、定期的な検便など、きちんと対策されていても、一定の確率でなるものだそう。
スーパーや飲食店でノロウイルス食中毒が発生すると、営業停止処分になるので、かなり気をつけているはずです。(それでもなるんだもんね)
食べた方の体調がすぐれない場合も感染しやすくなるので、体が弱っているときは控えておくのがベターです。
【スーパー・飲食店のカキフライ対策】
- 食事前・トイレの後の手洗いを徹底
- 体調がすぐれないときは食べるのを控える
- 中心部に火が通っていない怪しさを感じたら残す(付け合せ野菜を含めすべて)
ノロに気をつけてカキフライを楽しもう!
カキフライは『高温短時間で揚げる』のが良いとされていますが、実は食中毒と隣り合わせ。
小さなお子さんやご年配の方、妊婦さん、体調の優れない方など、心配な場合は、加熱用の牡蠣でも食べるのを控えておきましょう。
基本的には牡蠣を触った手、調理器具、シンクなどの扱いに気をつけていれば防げます。
ノロウイルスは感染力が非常に高いので、牡蠣だけでなく冬場は手洗いを徹底し気をつけましょう◎